自然農園 森の土
森の土 世界のイチジク畑
自然栽培で育つ世界の美味イチジクたち
世界のイチジクの生産量を調べてみると、イチジクって海外ではすごく人気のある果物なんですね。なのに日本では今ひとつ、多分、流通しているイチジクのほとんどが桝井ドーフィンという品種だけなので、イチジクの魅力が伝わりにくいのかも・・と思ってます。
桝井ドーフィンは果実が大きい上に、とてもたくさん実るので、農家にとってとてもありがたい品種に違いありません。一方、世界中で愛されている美味イチジクたちは果実は小ぶりでたくさん収穫できないので、日本では栽培する農家がほとんどいないのも仕方のないことかもしれません。
フランス、イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、トルコ、イスラエル、アメリカなどなど、世界には味も食感も色も形も香りもさまざまな美味しいイチジクがたくさんありますが、日本では一部のイチジク愛好家が様々な品種を栽培して楽しんでいるものの、残念なことにイチジク好きの消費者は味見することすらできないのです。
そんな世界の美味イチジクの魅力を紹介したいと思いたち、愛好家からの評価が高い世界の美味イチジク30品種ほどを選んで2015年から栽培を始めました。
ところが、肥料、農薬、除草剤を使わない自然栽培の「森の土 世界のいちじく畑」のイチジクの木は、なかなか大きくならず、実もつけくれません。そんなイチジクたちを見守り、手入れを続け、ようやく15種類くらいのイチジクを収穫できるようになりました。
今まで味見すらできなかった世界のイチジクたちの果実は、とても甘く美味しくて個性豊かでした。
イチジクのおいしさに魅せられて
まだ自然栽培を始める前のことです。イチジクでも植えてみようかな、と軽い気持ちで数種類のイチジクの苗木を買い、植えてみました。イチジクなんてそれほどおいしいと思っていなかったのですが、簡単に育って収穫できると思っていたイチジクの苗木は、そこそこ育ったものの、あまり実を付けてくれませんでした。そこでたくさん収穫できるようにと、生ごみでボカシを作り、木の根本に撒いてみたら、とたんにたくさんのカミキリムシの幼虫が幹に入り込み、イチジクの木々はあっという間に枯れてしまいました。仕方ないので他の作物を栽培しようかと、枯れ跡をきれいにして土づくりをしていたら、枯れたはずのイチジクは息を吹き返し、根本から伸び出した新芽はみるみる大きく育ち、やがて実をたくさん付けてくれました。その実は、それまで食べたことのあるイチジクの味とはまるで違い、それからイチジクが大好きになったのです。そこで、イチジクの本当のおいしさをたくさんの人に知って欲しいと思い、世界中の美味イチジクを栽培しようと決心したのです。
しかし、イチジクの品種は驚くほどたくさんあって、栽培する品種を選ぶため、毎日さまざまなイチジク品種について調べました。困ったことに、イチジクは品種名や苗木の流通は世界的にもとても混乱していて間違い情報が多く、購入した苗木が本当にその品種なのかすら怪しいのです。そんなわけで信頼できる種苗元から苗木を取り寄せて育ててみて確認する必要がありました。昨年は15種類ほど収穫できました。今年はさらにたくさんの品種を収穫できるようになると思います。収穫できるようになったイチジクの来歴や味の性質など、これから少しずつ紹介していきたいです。