自然農園 森の土
森の土の野菜たち 秋から冬へ
森の土の環境を畑に再現するためには、とても時間と手間がかかります。
時間と手間をかけることで、多様な土壌微生物や様々な生き物が作物と共生しながら増え、作物の根域には豊かな土壌生態系が形成されます。
森の土は落ち葉や枯れ草、朽木などが長い年月をかけて積もったものです。これらの落ち葉や枯れ草、朽木は主にキノコ菌の仲間によって分解されます。
キノコ菌の仲間は清浄な土壌でなければ増えることができません。土づくりに時間と手間をかけることで、徐々に作物が健康に育つ土壌環境へと変化していきます。
山菜の豊かな風味は自然な土壌環境でこそ育まれ、普通の畑では本来の風味を失います。豊かで清浄な土壌環境に根を伸ばし、微生物と共生して健康に育つ作物は薬を使う必要などなく、山菜と同じようにその作物本来の風味を取り戻します。
命の力に溢れる自然な味と香りが魅力です
新潟に伝わる最高のかぶ菜
寄居かぶ
新潟市の寄居町で300年ほど前から栽培され、全国に広がりました。かぶ根は小さいうちは柔らかく、味わい豊か、大きくなるとしっかりとした旨味が煮物や炒め物、漬物にして美味です。若い葉はとても美味しく、春の株菜として栽培が広がりました。新潟の伝統野菜で、かぶの日本在来品種の代表的なものの一つです。
新潟に伝わる万能美味なす
えんぴつなす
新潟に伝わったのは昭和10年頃とされます。先端が尖った形からえんぴつなすという名前が付いています。非常に美味しいなすですが、名前は美味しそうじゃないですね。
漬けなすはこのなすでなければだめという根強いファンが多く、今でもどうしてもこのなすが欲しくて探す人もいるようです。これほど美味しいなすなのに最近栽培する農家はほとんどいなくなったのは残念です。
10cmくらいのものは浅漬けが最高です。
20cmくらいのものは半割りか4つ割りにして、少なめの油で炒めて出汁と醤油を加え、水分を飛ばし、仕上げにごま油を少々入れて照りを出すと美味、炒めて、味噌と砂糖とみりんを加えて水分を飛し、仕上げ油を少々というのも簡単で毎日食べても飽きない定番になります。
30cmくらいになるとトロトロの美味焼きなすに、皮を剥いて生姜醤油が最高です。
新潟に伝わる極上のサラダなす
今や幻の白十全(本十全)
十全ナスは、かつて新潟の五泉市あたりにあった十全村に来た嫁さんがタネを持ち込み、そのナスがあまりにおいしいため、あっという間に地域に広がって十全なすと呼ばれるようになったとされています。その浅漬けはきめ細かで歯切れよく甘みがあり、群を抜く美味しさ、でも皮が薄くて傷つきやすく、写真のように色が薄いため、その後育成された黒十全などに置き換わり今や幻、でもこの味に勝るものはありません。生食がおすすめ、薄切りを軽く塩もみして紫蘇やミョウガなどの香り野菜と合わせた夏野菜サラダも最高です。